アンペールの法則は、「電流が流れるとその周りに磁場(磁力線)が発生する」という電磁気学の基本的な法則です。この法則は、電験の試験でも頻出の内容です。頑張って理解していきましょう!!
前提知識
アンペールの法則では、電流が流れることで周囲に発生する磁場の強さを計算できます。簡単に言うと、「電流の周りを取り囲む磁場の強さは、その電流の大きさに比例する」ということです。
まずはアンペールの定義について
真空中の静磁界において任意の積分経路に沿って磁束密度 B を線積分した値は、その経路を鎖交する電流の総和に比例する
です。
なにをいっているんだ???ってなりますよね、、でも大丈夫です。私も最初はそうでした^^;
まずアンペールの法則を理解するために必要な前提知識は
- 鎖交
- 線積分
この2つです!逆にこの2つを理解できれば容易に理解できるかも、、??
鎖交について
鎖交については難しく考える必要がなく、「くぐっている」か「くぐっていない」かです!
言葉で説明するよりも下の図を見ていただいたほうが直感的にわかるかなと思います。
簡単に言うと内部領域Cを電流Iが貫通してれば鎖交していることになるということですね。
鎖交についてはこれだけの理解で問題ありません。
線積分について
線積分については詳しくはお話しませんが、ざっくりとした説明をします。
線積分とは・・・・
経路上に存在する物理量を積分する
です!!
これも正直言葉だけではピンときませんよね、、、
私の中でのイメージは曲線に沿って何かの量を足し合わせる計算方法です。
わかりやすい例:川の流れを考える
川の中を小舟で進むと考えてみましょう。川の水は場所によって流れの速さが違いますよね。川の流れが速いところもあれば、ゆっくり流れるところもあります。この「川の流れの速さ」を足し合わせたものが線積分のイメージです。
線積分についてはこれだけで十分です!
さて、前提となる知識を学習したところで本題に入りましょう!
アンペールの法則
冒頭のアンペールの法則の定義についておさらいします。アンペールの法則とは・・・・・
真空中の静磁界において任意の積分経路に沿って磁束密度 B を線積分した値は、その経路を鎖交する電流の総和に比例する
$$
\int B \cdot dl=\mu_0 I
$$
です。気持ちはわかります。やっぱり何を言っているんだという気持ちですよね。
ひとつひとつかみ砕いて行けば何も難しいことはありません。これについても図を見てもらえば理解しやすいと思うので図を見ていただきたいです!
上の図を見てもらえば、アンペールの法則は積分経路に鎖交している電流の総和の\(\mu_0\)倍になるということが分かってもらえるかな、、、
ちなみに、積分経路は閉じていれば☆だったり△でも問題はありません。ですが計算は大変になるので基本は〇で周回積分をしています。
電流の向きが逆向きになった場合は少し注意が必要です。
経路に対して右ねじの向きを正とする。ということは覚えておきましょう。
まとめ
アンペールの法則は、電流と磁場の関係を理解するうえで欠かせない重要な法則です。電磁気学の基礎をしっかりと押さえることで、より高度な電気の仕組みもスムーズに理解できるようになります。次回も引き続き、電験に役立つ知識をわかりやすく解説していきますので、ぜひお楽しみに!
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